子供の矯正治療と大人の矯正治療の違いについて

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子供の矯正治療と大人の矯正治療の違いについて

子供と大人の大きな違いに関して、何よりも子供の場合は成長発育の途中であるということです。子供の矯正治療はこの成長を利用できるところにメリットがあります。

顎の骨の大きさを矯正力で促進したり抑制したりすることがある程度可能であったり、特に歯並びの幅を拡大する際には大人よりもはるかに多く拡大できます。

これらが可能なことで子供の場合は成長期の矯正治療で歯を抜くリスクを低くすることができたり、後の治療を楽にできることが多くあるのです。

それに対して大人、成人の場合は骨の成長を利用した矯正治療は期待できないため歯の移動のみによる矯正治療が主になります。

子供のように骨(土台)からの拡大はできないものの歯の移動により多少の拡大は可能です。またIPR(Interproximal enamel reduction)といって歯の隣り合う面を左右0.5mm以内ずつスライスカット(擦り落とし)してスペースを獲得して歯を並べる方法もあります。大人の場合もこのような方法を利用してできる限り歯を抜かない治療計画を考えます。

しかしながらこのような手段を利用しても歯並びを改善できない場合、前歯の突出や受け口を改善できない場合、歯並びだけでなく噛み合わせを良好に保てない場合は抜歯をしての矯正治療をおすすめしております。その判断のために矯正治療に先立って精密検査はとても重要になります。

目的は歯を抜かない矯正治療をすることでもなく、ただ歯を並べることでもありません。上下の噛み合わせを十分に考慮して
①機能的な歯並び・噛み合わせにすること
②それだけでなく美しい口元、顔かたちにすること
③将来的に健康な歯、歯周組織が維持できるようにすること
④これらが出来る限り長期に安定するような状態にすること
が目的です。