矯正治療中の装置まわりの汚れ 虫歯、口臭の原因をつくらないために

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矯正治療中の装置まわりの汚れ 虫歯、口臭の原因をつくらないために

「虫歯になりやすい部分はどこでしょう?」という記事で普段みがき残しやすい部分について以前お話しました。

また、いつもみがき残しがあり歯垢(プラーク)がいつも残っているような部分では、歯の表面のミネラルが奪われ脱灰という虫歯の初期症状を示すようになっていきます。

装置がついていない状態でもみがき残しやすい部分があるのにもかかわらず、歯並びがでこぼこ(叢生:そうせい)だったり、矯正装置・ブラケットが歯に付いていたらどうでしょうか?

※装置はデーモンブラケット(旧型)。

写真①はブラケット装置を装着した時の写真です。
歯の表面には光沢があり天井の蛍光灯が白く写りこんでいるのがわかります。とてもきれいな状態です。

写真②は装置を装着して3ヶ月時の写真です。
一番上の図「みがき残しやすい部分」の汚れに加え四角いブラケットの周囲にプラークが付着しています。写真①と比べると歯の表面には光沢がなくなり、ざらついているのがわかります。

とくに四角いブラケットの両脇、歯ぐきと装置の間にはプラークがたまりやすく、下図のように奥歯へ向かうほど歯ぐきと装置の間のスペース(黄色い部分)は狭くなります。

そのため奥歯では前歯に比べさらにプラークはたまりやすくなるので要注意です。また上より下の歯ではさらに狭くなり磨きにくくなります。

このプラークが残った状態が続くと四角い装置のまわりに沿って脱灰(初期虫歯)が生じてきます。矯正治療が終了して装置を外しても四角い脱灰の跡や四角く虫歯になっても素敵な笑顔にはなれません・・・

また鼻がつまりやすく口呼吸の症状があったり、唾液の量が少なく口の中が乾燥しやすい状態にあるとさらに脱灰や虫歯のリスクが高まります。
花粉症の方などでも花粉の飛ぶ時期に口呼吸になったり、市販の鼻炎薬を服用していると鼻水は止まりますが唾液の量も極端に少なくなるため、この時期に虫歯が悪化するということも少なくありません。

裏側の装置でも汚れがたまる部分は同じです(例として紫色の部分)。
ただ舌の動きで唾液がよく循環するおかげで表側の装置に比べると裏側の装置では虫歯になりにくいと言われています。

ただしプラークが残っていれば、やはり虫歯になるキケンはありますし、歯肉炎や口臭の原因にもなります。

毎日歯みがきをしていたとしても、きちんと磨けていなければ磨けていないのと同じことです・・・

歯並びがでこぼこの部分では、きれいに並んだ部分よりもプラークはたまりやすく磨き残すことも多くなってきます。

まずはプラークがたまりやすい場所、磨き残しやすい場所をしっかり把握して、その部分をイメージしながら歯みがきをすることが磨き残しを少なくするコツだと思います。