リテーナー(保定装置)の種類について

≪リテーナー(保定装置)の種類について≫

左は装置の写真、右はその装置を装着した時の写真です
目立たない装置もありますので装着時の写真(右写真)をよくご覧になってください。

ベッグタイプリテーナーとホーレーリテーナー:
歯のまわりをワイヤーで取り囲むタイプ。(取り外し式)

 

QCMリテーナー:
上記のタイプと同じですが、歯を取り囲む表の部分(特に前歯の部分)がワイヤーではなく透明のタイプ。目立ちにくいタイプです。(取り外し式)

 

アスティクス リテーナー:
QCMリテーナー同様、歯を取り囲む表の部分(特に前歯の部分)がワイヤーではなく乳白色のファイバー製でに目立ちにくいタイプ。(取り外し式)

 

クリアリテーナー:
透明のマウスピースタイプ。目立ちにくいですが、自分の歯同士が上下で直接咬み合わない(装置と装置の材質が咬み合う)ので、まれに積極的に噛み合わせを安定させたい場合などは適さない。上記3つのリテーナーに比べると軽い。違和感が少ないと感じる場合もあります。(取り外し式)

 

クリアリテーナー:
材質が透明でなくやや乳白色のもの。クリアリテーナーの材質は様々あります。(取り外し式)
右の写真は装着した状態です。

 

犬歯-犬歯間リテーナー(リンガル リテーナー):
糸切り歯と糸切り歯の間をを歯の裏側でワイヤーで固定するタイプ。(固定式)
上の歯並びの保定は取り外し式で、下はこの固定式で行う場合もあります。
しかし歯に固定してしまうので汚れが付きやすいため虫歯や歯肉炎、歯周炎になることもあるので注意が必要。

 

スプリングリテーナー:
下の前歯が軽度に後戻りしてしまった場合などの改善に用いるタイプ。(取り外し式)
最近では軽度の後戻りなら透明のマウスピースタイプで行うことが多いです。

 

 

装着して見えない部分のカラーは色々あります。

 

写真の提供に関しては皆さんのご協力にいつも感謝しております。
矯正治療を始める方のきっかけや励みになれば幸いです。

 

 

装置を外して素敵な笑顔にいつも感謝しております。

私も患者さまも矯正治療をして良かったと思う瞬間です。

この笑顔になっていただくこの瞬間がたまらなく矯正治療をやめることはできませんし、この瞬間のために技術を少しでも向上させたいですし、この瞬間を目指して患者さまと毎回お会いできることを楽しみにしております。

今までにも後戻りを防ぐためのリテーナー(保定装置)についてお話しましたが今回は後戻りを防ぐためのリテーナー(保定装置)の種類についてです。

矯正治療後の後戻り 原因

矯正治療が終了すると装置を外しますが、治療後の歯の位置は最初とはある意味違う位置にあり、歯は少なからず元の位置に戻ろうとします。これを後戻りと言います。

歯と歯は骨の中で非常に弾性のある線維でつながっています。そのためある特定の歯だけを動かした場合でも、その歯の隣の歯も一緒に動きます。治療後の歯の位置は最初とは違う位置にあるため引き伸ばされた線維は少なからず元の位置に戻ろうとします。
歯の移動とともに変化した骨もやはり元の位置に戻ろうとします。

そのため新しい位置で歯の位置も線維も骨も安定させる必要があります。
矯正治療後にリテーナーという装置を使用するのはこれが理由です。

このように歯とその周囲の構造によって後戻りが生じますが、それ以外にも後戻りする原因があります。それは唇を噛む癖、舌を出す癖、爪咬みなどの習癖です。歯並びが悪くなった原因のひとつに習癖が関係していて、矯正治療後にもその習癖があればまた元の歯並びに後戻りしやすくなります。

このような癖は無意識にされていることが多くご本人も気が付いていないことも少なくありません。
歯並びをみると大体関係している習癖がわかるので、問診時にお聞きしながらご自身でも「言われてみれば…」と気付かれる方も多いです。

しかしこの気が付くことが後戻りを防ぐことにとても重要です。
舌による習癖などはトレーニング方法もございます。
意識してそのような習慣・癖を改善していくことで後戻りも少なくできます。

また後戻りを防ぐリテーナーも様々な種類があり、習癖の状態によってリテーナーの種類も選択する場合もございます。

矯正治療に限らず、体が新しい状態に変化すると体は元の状態に戻ろうとすることはしばしば経験することと思います。
変化させた状態(新し状態)をkeepすることは難しいですが、維持するための方法を習慣にできるように頑張りましょう。

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子供の矯正治療と大人の矯正治療の違いについて

子供と大人の大きな違いに関して、何よりも子供の場合は成長発育の途中であるということです。子供の矯正治療はこの成長を利用できるところにメリットがあります。

顎の骨の大きさを矯正力で促進したり抑制したりすることがある程度可能であったり、特に歯並びの幅を拡大する際には大人よりもはるかに多く拡大できます。

これらが可能なことで子供の場合は成長期の矯正治療で歯を抜くリスクを低くすることができたり、後の治療を楽にできることが多くあるのです。

それに対して大人、成人の場合は骨の成長を利用した矯正治療は期待できないため歯の移動のみによる矯正治療が主になります。

子供のように骨(土台)からの拡大はできないものの歯の移動により多少の拡大は可能です。またIPR(Interproximal enamel reduction)といって歯の隣り合う面を左右0.5mm以内ずつスライスカット(擦り落とし)してスペースを獲得して歯を並べる方法もあります。大人の場合もこのような方法を利用してできる限り歯を抜かない治療計画を考えます。

しかしながらこのような手段を利用しても歯並びを改善できない場合、前歯の突出や受け口を改善できない場合、歯並びだけでなく噛み合わせを良好に保てない場合は抜歯をしての矯正治療をおすすめしております。その判断のために矯正治療に先立って精密検査はとても重要になります。

目的は歯を抜かない矯正治療をすることでもなく、ただ歯を並べることでもありません。上下の噛み合わせを十分に考慮して
①機能的な歯並び・噛み合わせにすること
②それだけでなく美しい口元、顔かたちにすること
③将来的に健康な歯、歯周組織が維持できるようにすること
④これらが出来る限り長期に安定するような状態にすること
が目的です。

マウスピースタイプの矯正治療


今日はマウスピースタイプ矯正装置の勉強会に参加してきました。
今までにもマウスピースタイプの勉強会に参加してきましたが、マウスピースタイプの矯正装置でもいくつか種類があります。

前歯を主に動かすタイプの装置、前歯も奥歯も動かせるタイプの装置など種類はいくつかあります。

歯並びの状態や、噛み合わせの状態、でこぼこの程度によってタイプを使い分ける必要があります。

またマウスピース矯正装置を単独で使用するだけでなく、奥歯など見えにくい部分にはワイヤーを用いた矯正装置を併用した方が効率のよい場合があります。

歯並び・噛み合わせの状態、程度によってはマウスピース矯正装置が適応でない場合もあります。

装置の種類はワイヤー矯正を含め、装置によってメリットとデメリットがあります。

歯・歯並び・噛み合わせだけでなく顔のかたちを含め現在の状態、装置ごとの特徴、そして患者さまのご希望も含め総合的に判断していくつかの治療方法をご提示させて頂き、お話し合いの上、その中から治療方法・装置を選択して治療を進めさせて頂いております。

 矯正治療においてこの部分はとても時間がかかりますが、医療の中でとても重要な部分であると考えております。ぜひご理解の程宜しくお願い致します。

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矯正治療後のリテーナー(保定装置)について

前回の記事では矯正治療後の後戻りとリテーナーをなぜ使用しなければならないかというお話をしました。

今回はリテーナーを装着した状態を写真を交えてお話したいと思います。
リテーナーの色は使う楽しみも含めて患者さまご自身にお選び頂いています。
前回の記事にその写真があります。下の写真は装置を装着したところです。

装置の色はクリアかピンクが普通なのですが、16色のカラーの中から選んで頂けるようにしたところ、装着してしまうと色の部分は見えないのでイエローやオレンジ、パープル、またラメ入りなど様々な色で楽しんで頂いております。

下の写真は装置を装着した状態での正面の写真です。
左の二つが前歯の部分が目立ちにくいリテーナー、一番右の装置が従来からあるワイヤータイプのものです。

実際に装置(上写真一番左)を装着してのスマイル時の写真が下です。
(スマイルの写真撮影時にたまたまリテーナーを外し忘れたのですがとても参考になる写真になりました。)
左がビジネススマイル、右がそれよりも少し自然に笑った時です。
比較的目立ちにくいので選ばれる患者さまも多いタイプのリテーナーです。

左右ともにQCMリテーナー装着時の写真

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