恵比寿ますだ矯正歯科 院長ブログ

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矯正治療中の虫歯予防について(2)歯磨きの方法

矯正治療中の虫歯予防について(2)、今回はワイヤー矯正治療中の歯磨きについてです。
前回はワイヤー矯正装置がついている場合の汚れやすい部位をよく知ることが大切であると述べました。また人それぞれ磨き残しやすい部分があり、その部位を知ることも大切です

ポイントは磨き残しやすい部位を気を付けて磨けばよいのです
普段から磨けているところはそれなりに、磨き残しているところを今以上に気を付けることです。では基本的にどのように磨けばよいでしょうか?

汚れが残りやすい部位としては歯と歯ぐきの境目が挙げられますが、装置(ブラケット)が着けばなおさらです。ワイヤーが入っているので上あごの歯磨きは(上写真のように)歯ブラシを上から斜めにあてがい歯と歯ぐきの境目と装置のへりを丁寧に磨きます。下あごの歯磨きの場合は歯ブラシを下から装置にあてがい磨きます。磨く時のポイントは毛先を歯面に当てたまま離さないことです。汚れている部位に毛先がちゃんと当たっていれば効率よく汚れを落とせます。
磨いていても毛先が汚れている部分に当たっていなければ磨けていないのと同じなのです。

では装置(ブラケット)の側面、歯と歯の間はどうでしょうか。
おさらいですが歯と歯の間は磨き残しが多い部分です。しかもその両脇に装置(ブラケット)があり、さらにワイヤーも横切っているので非常に汚れがたまりやすい部分。このことを意識しながら歯ブラシの毛先を歯と歯の間、装置の側面にしっかり付けて磨くことです。
歯ブラシのつま先(写真上段、歯ブラシの赤い毛先の部分)あるいは歯ブラシのかかと(写真下段、歯ブラシの青い毛先の部分)を使って磨きます。
この時も毛先が離れないようにしっかり付けた状態で汚れを落とします。

また写真のような筆状の歯ブラシもとても効果的でまずはこのタイプの歯ブラシで磨くことをお勧めしております。歯ブラシのヘッドが非常に小さく、狭いところにも毛先が入って小回りが利くのでおススメです。

フロスも矯正用があり、装置の間をくぐらせるためにフロスの先端が硬い糸状になっています。また通常のフロスに加え、途中の部分からスポンジ状の糸になっており、歯と歯の間をキレイにできるだけでなく写真のように装置の周囲を簡単に清掃できる優れものです。
またフッ素付の特殊なフロスも揃えております。

今回は、歯磨きがとても上手な患者さまのYukoさんにモデルになって頂きました。透明度が高いサファイアの装置にホワイトワイヤーで、しかもリナメルのペーストで毎日ホームケアをされているので歯に透明度があり、うっとりするほどキレイな状態です。今後の患者さまの説明用に使わせて頂きたいと思います。快くお引き受け頂き、ご協力に大変感謝しております。ありがとうございます。

今回のフラワーアレンジメントです。
何かの顔が…クマの顔のフラワーアレンジメントなんです。
最初は犬かと思いました。

矯正治療中の虫歯予防について(1)虫歯になりやすい部位

以前もご紹介しましたが、歯の汚れやすい部分は大体決まっています。
図の紫色に示した部分で、表も裏も歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に主に歯垢(プラーク)はたまります。
つまり、何か何かとの境い目は歯垢がたまりやすく、逆に歯の先端や真ん中の面はたまりにくい部分といえます。

誰しもちゃんと磨けている部分と、どうしても磨き残してしまう部分があります。
毎日の歯磨きで気をつけることは、磨き残し部分がどこなのかをまず知ることから始まります。

歯がきれいに並んでいる時でさえ歯垢がたまりやすい部分があるのに歯がでこぼこであったり、装置が付けばなおさら汚れやすい状況(下写真)になります。

上には表側の矯正装置が付いていますが、歯磨きがうまくできていないために、一個一個の装置の周り、とくに歯と歯ぐきの境い目、歯と歯の間に歯垢がたまっています(上写真:紫色部分)。
歯ぐき(歯肉)は腫れており、歯磨きにより出血しやすい状態です。
下の装置がついていない歯も同様に歯ぐきの境目に歯垢がたまっており(上写真※①)、糸切り歯(犬歯)のでこぼこの部分は特にです(上写真※②)。
それに対して歯の真ん中や先端部分は歯垢が付いていません。

では歯垢がたまったままだとどうなってしまうでしょうか。
歯垢細菌の酵素の働きにより食事中の糖質が分解され酸が生産されます。
つまり歯の表面からカルシウムやリン酸が溶け出して、下の写真のように歯の表面が白く濁ったような脱灰(だっかい)状態が生じます。いわゆる初期虫歯の状態です。

上写真はしばらくの間来院がなく、歯磨きの状況も良くなかったため装置を外した写真です。
装置の周りに沿って四角に白く脱灰が生じています。この脱灰が進行すると歯の表面に穴ができてしまいます。装置の形に四角く虫歯ができてしまうのです…
歯並びがきれいになっても、歯がこのような状態になっては悲しいのです。

月に1回、装置の調整で来院した時に装置周りはきれいにするのですが、残りの期間はご自宅でのホームケアが主になるので毎日の歯磨きの仕方がとても重要になります。

まずは普段の歯磨きできれいになっている部分と意識的に気を付けて磨かないと汚れが残ってしまう部分をよく知ることが大切です。
汚れが残ってしまう部位をよく知って、意識して磨き残しがないようにブラッシングをすることが大切です。

受付さんに毎回アレンジして頂いているエントランスのお花(左写真)。
ステンドグラスのキャンドルポッドにリナメルホームケアペーストを飾りました(右写真)。
リナメルによるメインテナンスで歯には光沢が出てつるつるに、そして汚れが付きにくくなります。
矯正治療は行わなくとも、歯のトリートメントケアはぜひ受けて頂きたいメニューのひとつです。

目立たない矯正装置(3)表側の矯正装置について

今月、治療が終了したKazumiさん。おめでとうございます。
顎間ゴムも歯磨きも最初はなかなかでしたが、励ましに応えてくれて、その後はかなりの頑張りをみせてくれました。
ご自身でも「努力の甲斐があった!」とおっしゃっていましたが、全くその通りで治療の進行もとてもスムーズでしたよ。
最初はどうなるかと思いましたが、終わってみれば一番の優等生でした!
ほんとうに良かったです。素敵な笑顔でしたよ。
写真の提供もありがとうございました。

目立たない矯正装置(3)表側の矯正装置について

従来からあるメタルの装置と金属色のワイヤー
歯の動きが良く、治療費も他の装置に比べ一番リーズナブルなのですが、見た目で避けられてしまう装置。

デーモンブラケット
歯の動きがとても良い装置。
上半分が白いセラミック、下半分がメタルのデーモン2ブラケット(左写真)
現在はデーモンクリアブラケットになり上顎の装置がすべてオールセラミックで白くなりました。
歯の動きの良さに加え、見た目も良い装置になりました。(右写真)

サファイアブラケットとホワイトワイヤー
透明度の高いサファイアの装置とホワイトのワイヤーで歯の色に馴染み、とても目立ちにくい装置。
歯の動きを重視しつつ、何より見た目重視をご希望される方におすすめの装置です。
表側の装置はこの装置を選ばれる方がほとんど。

先日、この装置を着けた患者さまは、親友と久しぶりに会ったものの装置に気づいてもらえずちょっとがっかりしたようです。
結局、自分から着けていることをお話されたとのことでした。

サファイアブラケットを装着した状態

目立たない矯正装置(2)マウスピースタイプ矯正について


当院の記事も紹介されているL’ala Pado 4月号

今月の特集は「徹底美肌塾」
美肌をつくる化粧水Lesson、カンタンだから続けられる!美肌レシピなどその他、美容に関する記事が満載です。

当院の記事も合間にありますので気が向いたらぜひご覧ください。
東京EAST版、WEST版ともに掲載しております。

クリニックのすぐそば明治通りの桜並木です。今まさに満開です。

今週のフラワーアレンジメトです。左写真はエントランスのお花、右写真は化粧室のお花です。以前ご紹介したキューピーのお花見の置物も写っています。

マウスピースタイプの矯正装置は色々な種類がありますが、その代表的なものとしてインビザラインが挙げられます。

患者さまの歯型をコンピューターで取り込み、歯の移動を忠実にシミュレートしたものから装置を製作します。歯を少しずつ移動させた状態の装置を2週間ごとに交換して歯並びを治療します。

マウスピースタイプの矯正装置の最大の特徴は何よりも取り外しできることにあります。
飲食時には取り外して使用します。

お仕事の都合やライフスタイルの中でどうしても従来の矯正器具に抵抗がある方は最適と言える装置です。取り外しできるためいつもと変わらない食事を摂れ、歯磨きと歯のお手入れが普段通りに行えます。
装置自体は透明なため目立たないことも大きな特徴です。

ですが取り外しができるため使用時間が短くなると本来予定した歯の動きが得られない欠点が生じます。

患者さまからよくお聞きするのがお茶の席で装置を外さなければならないことが億劫ということ。
またその後、はめずにそのままになってしまい使用時間が減ってしまうことが多いようです。

そのため最近では砂糖の入っていない飲み物であれば、装置を装着したまま飲んで頂いています。糖分が入ったものは装置と歯の間に残ってしまうのでNGです。
お茶、コーヒーを頻繁に飲まれる方は歯に着色が生じやすくなるため歯のクリーニングが必須です。

女性の患者さまからは装置を入れているため間食が減りました(笑)ということもよく聞きます。

インビザラインを装着した状態で撮影。
装置は入れていることを言われないと分からないほど、ほとんど目立ちません。

歯磨きをいつも熱心にされていらっしゃる患者さまのNanaさんにご協力いただきました。ありがとうございます。
いつも色々な話題でお話が盛り上がり、楽しく診療させて頂いております。

歯の移動によっては従来の装置を併用した方法で治療を行うと治療効率・精度が良くなり、治療期間を短縮できる場合があります。

ただし従来の装置を併用するといっても、インビザラインが目立たないことが特徴の装置なので、あくまでも目立ちにくい部分に限って、目立たない装置を使用するように心掛けております。

<インビザラインの特長>
・3Dコンピューターソフトで治療後のお口の中の状態を正確に把握する
・治療期間中の全装置を一括してカスタムメイドで製作する
・取り外しができて衛生的
・取り外しが可能なので、いつもと変わらない食事を摂れる
・金属アレルギーを引き起こす心配がない
・永久歯が生え揃っていない10代の患者さまの治療に可能

目立たない矯正装置(1)裏側の矯正装置について

矯正治療は少なからず期間がかかる治療です。
だからこそ装置はできれば目立たないものを選びたいもの。

目立たない装置の代表的なものとしては歯の裏側に取りつけ見えない“舌側(ぜっそく)矯正装置”、取り外しができ透明な“マウスピース矯正装置”が挙げられます。

裏側の舌側矯正装置は発音がしにくいのでは?としばしば質問を受けます。
確かに今まで無かったものがいきなり歯の裏側に付くので、最初は違和感と発音のしづらさがあります。

ですが最近の舌側矯正装置は大きさが昔のものに比べてかなり小さくなり、慣れると発音しづらいとおっしゃる患者さまはほとんどいません。

舌側の矯正装置を着けている患者さまで、お話をしていて多少舌っ足らずのような発音になっている方も中にはいらっしゃいますが、それが理由で装置を外したいと言われたことは今までありません。

ただ表側の装置にも共通していえるのですが、体調が悪いとき、疲れているとき、免疫力が下がっているときは口の中がむくみやすいので、その時だけは装置が擦れて痛いとか、しゃべりにくいことがあります。

また裏側の装置は目立たない特徴のほかに常に唾液と舌に触れているため、表側の装置に比べて虫歯になりにくい利点もあります。

左写真:治療開始時。前歯の突出とでこぼこ

右写真:でこぼこの改善時(治療途中)

≪当院の特徴と私の考えについて≫

当院では、一般的なワイヤー矯正から舌側矯正、マウスピース矯正、インプラント矯正など、一人ひとりの患者さまに合わせた治療方法をご提案しています。

患者さまのライフスタイルやご要望をお聞きしながら、シンプルな方法で早くきれいに仕上げることをいつも目指しております。

私たちが求める理想と患者さまが求めるものの間にズレが出ないようにコミュニケーションを毎回とるよう心掛けております。

何よりも最終的には素敵な笑顔で治療を終えられること、それを目的に毎回の治療に取り組んでおります。

いつも矯正治療を終えられた方の笑顔を見るたびに感謝の気持ちでいっぱいです。ご協力ありがとうございます。