八重歯の矯正治療 噛み合っていない犬歯について

歯は上下で噛み合っていると自然と削れていき、上下での歯の接触の仕方は徐々に馴染んでいきます。これを専門的には咬耗(こうもう)といいます。

しかしながら八重歯で糸切り歯(犬歯)が表側に飛び出していて上下の歯と噛み合うことがないと普段、歯は使われていないので犬歯の先端は削れることがなく尖ったままになりやすくなります。

矯正治療で歯を理想的な位置に並べていくと、この犬歯が尖っているというこが審美的にマイナスの要因になってきます。

すなわち前回お話したスマイルラインから犬歯の尖った部分が飛び出てしまい、矯正治療後でも少しだけですが牙(キバ)っぽく見えてしまうのです。

アメリカのTom Pitts先生はスマイルラインに視点をおいた矯正治療をされている先生ですが、その先生のセミナーに参加した際には、八重歯に限らず多くの場合で犬歯の先端の形態修正が必要ということでした。

特に八重歯の場合では犬歯が尖っているため歯の先端を丸めた方が審美的に良いことが多いように私も感じています。

そのため患者さまにはこのような理由を説明させていただき、ご納得していただければ犬歯の形態修正をさせていただいております。

渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
恵比寿ますだ矯正歯科
https://www.masuda-kyousei.com/

矯正治療 子供と大人どちらが専門か

矯正治療を行なっていない一般歯科の先生に『先生は子供と大人とどちらを多く診られるのですか』としばしば聞かれることがあります。

私としては今までお子さんも成人の方もどちらも同じように多く診てきたので、そのように聞かれることに少し違和感を覚えます。

お子さんも成人の方もどちらも診てこそ、それぞれの患者さまの診断・治療に活かせることが多くあります。

歯並びやかみ合わせが良くない場合、そのようになった理由が必ずどこかにあるはずです。

成人の方の場合、多くは子供の頃・成長期の頃に何らかの原因があったことが考えられます。

顎の大きさや歯の大きさ、それらの不釣り合いなど遺伝が原因であったかもしれないですし、虫歯が原因だったかもしれません。

もしくは乳歯を虫歯が原因で早くに喪失したことが原因かもしれません。または不適切な虫歯の治療が原因の場合もあります。

指しゃぶりや口呼吸、舌突出癖、その他習癖などいろいろ考えられます。

どのような経緯で現在、このような不正咬合になったかを知ることは治療計画を立てる時にとても重要となります。

その際、子供の矯正治療を多く診ているとその(成人の)方がどのような経緯で不正咬合になったかがよく分かります。

それを踏まえてどのような点に注意して治療をしていったらよいかなども分かり、子供を診ている経験が成人の方にも活かされるのです。

成人の方をそのような視点で診ていると逆に子供の場合は、その症状を放置してしまうと大人になった時にどのようになってしまうかもよく分かってきます。

そのため今この時期にしておかなければならない治療と、あるいは後で行っても支障のない治療の選択などができるようになります。

子供と大人どちらを専門に診ているかではなく、どちらの患者さまも多く診ていることがとても大切なことだと考えております。

渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
恵比寿ますだ矯正歯科
https://www.masuda-kyousei.com/

子供も大人も 矯正治療の目的は同じです

矯正治療は見た目の改善の治療と思われがちですがそれだけではありません。
子供と大人で治療の手段・方法に違いはあるものの矯正治療の目的は子供でも大人でも変わることはありません。

①機能的な歯並び・噛み合わせにすること、
②それだけでなく美しい口元、顔かたちにすること、
③将来的に健康な歯、歯周組織(歯肉や歯を支える骨の健康)が維持できるようにすること、
④これらが出来る限り長期に安定するような状態にすることが目的です。

大人の方もお子様も生涯健康な歯で過ごせるように、矯正治療を通して一人でも多く素敵な笑顔をみつけるお手伝いをできればと思っております。

渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
恵比寿ますだ矯正歯科
https://www.masuda-kyousei.com/

子供の矯正 前歯の矯正治療

永久歯の前歯が生えてきて上下の咬み合せが反対の場合があります。
反対咬合と言われる症状です。

真ん中の前歯が反対のこともあれば、前歯4本が反対のこともありますし、脇の前歯が1本だけ反対の場合もあります。

写真はリンガルアーチと呼ばれる装置で反対になってしまった前歯を改善したところです。
(写真上:治療前、 写真下:治療後)

前歯が反対であることで見た目だけではなくその他の問題も生じてきます。

・上前歯が反対であることで前歯の歯並びがでこぼこになり汚れがたまりやすく、虫歯や歯肉炎になる可能性が高くなること。
・上下前歯の接触の仕方によっては下の前歯の歯ぐきが下がる、揺れてくるなどのダメージを受けてしまう場合があること。
・左右どちらかの前歯に反対咬合があることで咬み合せに左右非対称が生じてきてしまうことがあること。

など他の症状が併発してしまうことがあるので放置しておくのはお勧めできません。

ただし矯正治療を行うにしても歯の根っこの出来具合によってはその時期にすぐに歯を移動することができない場合もあるので一度、ご相談をされることをおすすめ致します。

渋谷 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
恵比寿ますだ矯正歯科
https://www.masuda-kyousei.com/

子供の矯正治療 -拡大装置について-

大人の矯正治療と違ってあごの成長を利用して歯並び・噛み合わせを治して行くのが子供の矯正治療の特徴です。
すなわち、あごの発育に合わせながら装置であごの大きさや上下骨格のバランスを整え、永久歯がいい位置に生えるようにしていく治療が主になります。

写真は緩徐拡大装置と呼ばれるもので、あごの幅を拡げるための取り外し式の装置です。真ん中には拡大するためのネジが入っており、このネジを4,5日に1回あるいは1週間に1回などまわすことで歯並びの横幅を拡大していきます。1回の回転で0.2mmでわずかなのですが、これはあごの成長や歯の生える状態に合わせ使用するためで拡大するには数ヶ月かかります。

ほかに2週間くらいの短期間に大きく拡大する装置(急速拡大装置)などもありますが、症状や年齢、歯の生え方の状態などによって装置は選択していきます。
いずれにしても拡大後は装置を外してしまうと戻ってしまうので、半年前後はそのまま装置の使用を続けます。

何よりあごの大きさや骨格のバランスを整えていくことで将来、健康な永久歯を抜かずに済む可能性が高まるのも子供の矯正治療のメリットです。


大人の方もお子様も生涯健康な歯で過ごせるように矯正治療を通して一人でも多く素敵な笑顔をみつけるお手伝いをできれば嬉しい限りです。
https://www.masuda-kyousei.com/

渋谷 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
恵比寿ますだ矯正歯科
院長 益田 勉