前歯の矯正治療  部分的な矯正

前回に引き続き歯並びの幅を拡大後にワイヤーで矯正した子供の治療例です。

下写真の拡大装置は前回の装置とは違った拡大装置で、拡大装置といっても様々な種類があります。
装置によって拡大の仕方が異なるため症状によって使い分けをします。
小児から17、18歳くらいまでは上あごは大きく拡大することができ、下のような写真の装置では5~6mm前後の拡大可能です。

それに対して成人の場合は顎の成長は無いので拡大しても2mm前後が限度。
それ以上拡大もされるのですが歯が外側に傾くことで見かけ上、拡がったように、みえるだけで顎自体の幅がが大きくなったわけではありません。

成人でこのように歯を外側に傾けて無理な拡げ方をした場合、上下の噛み合わせに悪い影響を与えたり、歯ぐきが下がったりする場合があります。
また元の状態に戻りやすいという拡げ方でもあります。
歯並びのでこぼこを解消するために拡大を行うこともあるのですが、上下の噛み合わせにも大きな影響をあたえるため、年齢によって拡大する量や拡大の仕方などを十分に検討する必要があります。

子供の矯正治療では、歯並びの幅の拡大が上下の噛み合わせにも影響を与えるということを利用して咬み合せの改善のために積極的に治療に活かす場合もあります。

まだまだ寒い日が多く、早く暖かくなるが待ち遠しいですね。
写真は鉢植えのさくらです。
まだ寒いのですが咲き始めました。
当院近くの明治通り沿いにはさくら並木があり、毎年とても綺麗なさくらが咲き誇ります。

満開のさくらも素敵ですが、その後の桜吹雪もまた素敵な風景ですので、お近くまでいらした際にはぜひご覧になってみてください。

子供の矯正治療について

こどもの矯正についてはよく患者さまからいろいろ調べても分かりにくいという声をいただきます。
これは矯正治療が必要な不正な噛み合わせの種類は子供も大人も同じなのですが、子供の場合は成長の途中でお口の中も変化していくためです。

大人の場合は顎の成長もなく、すべて永久歯で変化するような要因が少ないため治療法はある程度決まってきます。

しかしながら子供の場合は体も成長していますが、顎の骨の大きさも変化し、子供の歯から永久歯へ生え換わるという変化も同時に起こります。
しかもその変化の仕方は子供こどもによってそれぞれ個性があります。
男の子と女の子でも成長の仕方は異なりますし、同じ年齢の子でも顎の大きさ、大きくなる程度、歯の生え換わりの順序、その生え換わりのスピードも違います。

つまり子供の矯正治療ではその子の成長の変化に合わせた治療が必要となるわけです。
大人の場合のようにひとくくりで説明しにくいのはそのためだと思います。

アメリカでもそうなのですが、ひとつは7歳前後で一度、歯並び咬み合せの状態を専門医に健診してもらうことをおすすめ致します。


≪ 3月の院内飾りもの ≫
ひな祭りですね
ふ~たり並んですまし顔?


≪エントランスのお花≫

エントランスを入ってすぐ目の前、和風の飾り間のお花がお出迎えいたします。
その都度お花は変わります。
今回は受付けさんが作ってくれたフラワーアレンジメントです。

前歯・出っ歯、八重歯の矯正治療 過蓋咬合、開咬の噛み合わせの違いについて②

前々回の記事では前歯の矯正治療を行う際に、出っ歯・八重歯であっても噛み合わせに違いがある場合についてお話をしました。

ひとつには噛み合わせが“深い”といわれる“過蓋咬合”(かがいこうごう)、逆に噛み合わせが“浅い”といわれる“開咬”(かいこう)があります。

今回は、これらの噛み合わせでよく起こるトラブルについてお話したいと思います。

≪過蓋咬合でよく起こるトラブル≫

上の前歯が下の前歯に覆い被さる量が大きいので下の前歯が上の前歯に強くぶつかり、上の歯が突き上げられることが多く、よく上の前歯にトラブルが生じるのがこの噛み合わせです。

上下の前歯が強く擦れあうことが多く、歯が不自然な形に削れてしまいます。
削れることで歯が薄くなり、歯の先端が欠けてしまうことがあります。

そして年齢とともに前歯が前に出ていわゆる出っ歯になって前歯の真ん中に隙間が生じることがあります。
40~50代からよく見かけるケースです。

また歯の治療をしても被せ物がよく外れたり壊れる方がいらっしゃると思いますが、このような噛み合わせに原因があることが多々あります。

≪開咬でよく起こるトラブル≫

奥歯でしか噛み合わない場合です。
噛む力を奥歯ですべて負担してしまうので、奥歯によくトラブルが生じます。

奥歯のみが平らにすり減ってしまう。
奥歯にクラック(亀裂)が入って虫歯になりやすくなる。
治療した奥歯の詰め物・被せ物が割れる、壊れやすい。
結局、何度も治療した末に歯を抜かなければならなくなる。
その結果、入れ歯やインプラントにするが、それらもまた悪くなってしまう…

このような悪循環になりやすいのが開咬という噛み合わせです。

歯が悪くなる理由は様々な原因がありますが、このような噛み合わせが原因で歯が悪くなっている方をよく見かけます。
若いうちは抵抗力があってなんとかなっていますが、年齢とともに噛むことに支障がでて健康に影響します。

歯が悪くなったら削ったり抜いて治すのが日本ですが、歯が悪くならないように予防したり、歯並び噛み合わせを治したりメインテナンスをとても大切にしているのがヨーロッパやアメリカです。

ですが最近は日本でもこのことに気づいて治療に来られる患者さまが増えているのを感じます。
大人、子供を問わず予防やメインテナンスを重視した治療に力を入れていきたいと思っています。

渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
「恵比寿ますだ矯正歯科」の公式サイトへ

前歯の矯正治療 前歯で噛めない…噛み合わせを深くするには

前回の記事では前歯が出っ歯の状態でも、噛み合わせが違う場合のあることをお話しました。

今回はその中でも、前歯が噛み合わない場合についてです。

上下の歯が噛み合わない場合を開咬(かいこう)といいます。

原因としては遺伝がありますが、後天的な原因もあります。
例えば、指しゃぶり、舌を突き出す癖、慢性的な鼻炎による口呼吸、低位舌、楽器などが挙げられます。

今朝のNHKのニュースで取り上げられていましたが、このような生活習慣によることが歯並び・噛み合わせに影響する場合があります。
子供のうちに周囲が早く気付いて対処してあげることで将来の噛み合わせが悪くなることを予防できます。

しかしながら周囲も気付かなかったり、気付いていたけど治療するきっかけがなかなかつかめない場合もあります。

このような噛み合わせも矯正治療で治すことができます。

子供のうちの開咬を放置して、成人になって骨が固まってしまうと治療の内容が複雑になることが多くなります。
子供のうちに早期に対処してあげることで悪化を防げることが多々あります。

子供も大人も虫歯に気をつけるだけでなく、虫歯や噛み合わせが悪くなるような生活習慣自体に問題がないか改めて注意して見てみましょう。

開咬を放置した場合の障害はどのようなことが考えられるでしょうか?
次回はこの内容についてお話したいと思います。

渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
「 恵比寿ますだ矯正歯科 」の公式サイトへ

前歯・出っ歯の矯正治療 過蓋咬合、開咬の噛み合わせの違いについて①

一般的によくいう出っ歯の状態ことを専門的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)といいます。

前歯が出ていることを悩まれて来院されますが、同じ前歯が出ているという状態でもかみ合わせには違いがあります。

ひとつは
上の前歯が下の前歯に覆い被さり、下の前歯が見えないくらいの状態。

過蓋咬合(かがいこうごう)と呼ばれる状態で、噛み合わせが“深い”などといいます。

正常な噛み合わせは上の前歯が下の前歯を覆う量が2~3mmですが、それ以上は過蓋咬合の傾向になります。

下の歯が上の前歯に隠れて見えな程の状態です。
写真では見えませんが、下の前歯は上前歯の裏側の歯ぐきを噛んでいます。

ほかには
前歯が前に出ているのは同じですが、上記の過蓋咬合とは逆に上下の歯が噛まない場合の上顎前突もあります。

上下の歯が噛み合わない状態を開咬(かいこう)といいます。

噛み合わせが“浅い”などといいます。

奥歯のみ噛み合っていて前歯は噛み合わない状態。
奥歯の負担が大きくなります。

このように前歯が出ている状態でも、程度に差はあるものの噛み合わせには違いがあります。

この違いは、あごの骨の大きさや成長方向の遺伝的原因口呼吸、習癖、舌の位置、嚥下の仕方などの後天的原因によって生じます。

噛み合わせが異なると、同じ出っ歯(上顎前突)の矯正治療でも治療方法が異なります。

この噛み合わせの違いの原因を調べるために精密検査や問診・カウンセリングがとても重要です。

渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
☆ 恵比寿ますだ矯正歯科 ☆の公式サイトへ